話すことで、気持ちが少しずつ整理されていく理由
うまく説明できないのに、気持ちだけが重い。そんな日があります。整理してから話すのではなく、話しながら整理されていく順番もあります。
うまく説明できないまま、気持ちだけが残る
何かがしんどいのに、それが何なのかうまく言えない。そんな状態が続くことがあります。仕事のことなのか、家のことなのか、ただの疲れなのか。どれも少しずつ当てはまる気がして、はっきりとは決められない。
頭のなかでは、そのぼんやりしたものが何度も回り続けます。考えているようでいて、実は同じところを通っているだけ、ということも少なくありません。夜、布団に入ってから急に思い出して、また最初から考え直す。そうやって、気持ちだけが少しずつ重くなっていきます。
これは、考える力が足りないからではありません。まだ言葉になっていないものは、そもそもつかみようがない。ただ、それだけのことかもしれません。
言葉にすると、輪郭が見えてくる
誰かに話すとき、人は自然と順番をつけます。いつ、何があって、そのときどう感じたのか。話すという行為そのものが、ばらばらだった出来事を並べ直していきます。
話しながら「自分はここが一番いやだったんだ」と気づく方がいます。相手に教えてもらったわけではなく、自分の口から出た言葉を自分の耳で聞いて、はじめて分かる。頭のなかにあるうちは全部が同じ大きさに見えていたものが、外に出すと、大きいものと小さいものに分かれてくることがあります。
そして、聴いてもらえた、否定されなかった、という経験そのものが、気持ちを少し軽くすることもあります。何も解決していなくても、抱えていたものを一度だけ誰かと分け合えた。それだけで呼吸が深くなったという方も、いらっしゃいます。
まとまっていないまま、話しはじめていい
「ちゃんと説明できるようになってから相談しよう」と考えて、時間が過ぎてしまう方は少なくありません。けれど、整理するために話すのですから、整理されていないのが当たり前です。
今日できることがあるとすれば、「うまく言えないのですが」という一言から始めてみることかもしれません。相手は家族でも友人でもかまいませんし、紙に書き出すだけでも構いません。順番も理由もいりません。
それでも、身近な人にはかえって話しにくいこともあります。関係が近いほど、心配をかけたくないと思うものです。そんなときは、利害のない誰かに話す時間を持つ、という選び方もあります。アトリエさぼてんでは、答えを急がず、言葉になるのを待つ時間を大切にしています。
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